嫌いな子が権力者なら、自分に素直な『アタシあいつきらーい!』の友情ストライキが許されないことが当然なのは、
正直、今更な学校の国の知識だろう。
それを踏まえ進めると、
自分が嫌いな子と仲良いグループがクラスメートの支持率的に上流階級なら、
そんな子相手に騒ぐのはあまりに世間知らずだ。
どんなに君の価値観ではクズ人間だろうが、クラスの人気者に慕われてるなら、親しくしとかなきゃ己が危ない図式に変わりはない。
女王様にイビられる確率がゼロの側近、つまりズル賢く生きれたら正解だが、
君の未来はどうなるのかな?
「はい! 無事決まりましたね〜このクラスは時間かかったから音決めと曲決めは来週にしましょう。そ、れ、で――、教室から出る前にリーダーはプリントにメンバーの名前書いてから帰ってね。あ、プリントはピアノのとこに置いてますー」
解散、チャイムより少し早いけれどと先生は軽く笑って、また暇潰しに鍵盤をなぞる。
人質が解放されたみたく脱力感たっぷりの生徒が動き出す。
平和な組合せに安心した気ままな者、まさかコイツと一緒だなんてと嘆くガッカリ者、
仲良しグループ中のハミゴに成功し大満足なイジワルな者、人数の関係上チャラい奴とコラボで緊張がとれない小心者、
二組の皆はそれぞれの想いを抱き、学校行事っていう単純明快な青春の一ページをまた増やした。
君?、君のリアルは読者のみが追跡可能だ。
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