おとり化粧室


そりゃあ最初は君だって嬉しかった。


昔で言うギャルってジャンル、今の時代にあった表現は謎だがクラスを牛耳る女子らに対等に接しられ、

男子に内心恋される人気のリーダー格で、

しかも顔まで完璧な子、澪碧嶺、

自分なんかが華々しい彼女と、オシャレ面で和気あいあい会話をできるのが女子高生っぽくて幸せだった。



『肌キレイだね、ファンデ何使ってるの?』

『ピアスかーわい〜、そゆんどこで見つけちゃうの?』

『巻いてもすぐヘニャるんだあ、スプレー何がいいのかな〜?』

『化粧水変えたいんだけどオススメある?』


可愛い子の役に立てて良かったって、これが親友かって、初めは満足できていた。


違う。
昔の君は優越感に浸っていた。


澪碧嶺みたいに目立つ子が参考にしたがるレベルで自分はオシャレなんだなって、

自分は極めてセンスが良いんだなって、勝手にカリスマに目覚めていたんだ。



じゃあ、なぜ澪碧嶺のパクリに腹が立つのかって?



簡単な話だ。
澪碧嶺は顔の造りやスタイルが君より恵まれていて、

それらが嫉妬の元凶なのかもしれない。


君より遥かルックス勝ってる癖に、澪碧嶺に同じようなファッションを真似されちゃあ、

君の立場がないでしょう?



「澪碧嶺その髪すっごく似合うかもよ〜」

「うんうん、草原でピクニック〜。いいなぁー澪碧嶺は可愛いから何でも似合って」


先日、君が同じ髪型をしていた時よりも、

後から澪碧嶺がその髪型をしている方が明らかに可愛いし、グループ内の反応も抜群だった。


そういうこと、君のストレスはそういうことだ。