「ね、澪碧嶺〜」
ほら。うざ。
いつもと一緒でしょ
はじめっからジムと澪碧嶺を強奪するつもりの癖に、いちいち芝居がウザいなって思う。
澪碧嶺の両手を握って、縄跳びみたく上下に振るラブリー動作続行中のひゅったんは、
グロスが主流の今日日、艶消しメイクが新鮮な唇を開いた。
「おねがい澪碧嶺〜ジムと君チャン二人こっち借りてもいいかなあ?」
確かだった。
澪碧嶺の名前を確かに呼んだ。
けれど、選抜された内の名はジムと君のみだった。
お喋りが盛んな音楽室に静寂が訪れたらしい。
鼓動、呼吸、下手したら血流さえ耳に届きそう。
「君チャンいい? いいよね澪碧嶺〜?!」
笑顔のひゅったんは澪碧嶺の手を引っ張り、自分の懐におさまった彼女を、
『じゃれあうウチら仲良しで可愛くてヤバイでしょ』って男子にあてつけるべくギュッてしてる。
玲ちゃんは真顔でルルナを見つめ、ルルナは複雑な面持ちで澪碧嶺を凝視し、
なんとか身動ぎ澪碧嶺はひきつりスマイルでひゅったんの意思を確認し、
君はキョトンと立ち尽くす。
学校の国に第二の革命が起きた。
君は女子高生歴史の目撃者だ。
あのひゅったんが贔屓の澪碧嶺を暗殺、
電撃ソロデビューの君のシングル緊急発売日だ。


