おとり化粧室



澪碧嶺が君のパクリばかりすること、それが君のストレスだ。


前髪を編み込みしてサイドに繋げ、予め片方に寄せてシュシュでまとめていた髪と合体させるアレンジは、

君がアクセサリー屋で働く店員さんの見よう見真似で努力したオリジナルなのに、

先日遊んだ時に君がしていた髪型を、鏡の前で今、澪碧嶺はそっくりそのまま再現した。



  なんでマネするの?!

  それあたしのなのに

悔しくて、センター分けしていた前髪を力強く引っ張る。


というか、四月の君の前髪はパッツンだったし、中学の頃からパッツンがトレードマークだったんだ。

でも、高校入学したての澪碧嶺は斜め分けだったのに、ゴールデンウィーク前にパッツンにしやがって、

なんとなく同じグループ内でキャラが被るのが嫌で、

不本意ながら伸ばしたのに、どういう訳か自然と澪碧嶺の前髪も同じ長さになっている今がストレスだ。


いつもそう。
セーラー服の衿にクリップを挟んでUネックにするのは君が始めたのに、

ある日、普通に澪碧嶺が模写していた。


ソックスのポイントも、ハンカチのブランドも挙げたらきりがなく、

そんなのが重なって、ファッションセンスを盗られるのが嫌で、

なるべくダサい格好で休日は会っていたのに、

ブログに載せたプリクラや買った物の写メにインスパイアされるのか、

今や二人は似たようなコーディネートばかりだった。



恐らく君だけではない。
女子なら皆、こういう厚かましい泥棒女に出会ったことがあるのかな?


学校の国だと、クラスに盗作ガールは最低二人は居て、

グループ分裂や仲間外れなど、トラブルの原因の四割は真似師が絡んでいるんだけど、

それは、まあ、多分、誰にも知られていないし、知ったところで得はしないし、

結果、知らないフリをする奴が一番賢い。