おとり化粧室


無意識と呼べなくもないが、癖というか習慣というかなんというか、

皆のことが気になって気になってどうしようもなくなった君は、

ついにスマホを取りだし、ブログのチェック作業にとりかかった。


だって、一秒でも早くコメント内容が知りたい。

大人の国目線だとネットだから共感され難いけれど、実際に置き換えると簡単、

何時間も前に友達が話しかけてきてるのに返事もせずに無視状態とか変でしょう?
本当はずっとうずうずしてたんだ。


  ブログ周りは夜するとしてー
  申請すごそー

ブツクサやってると、ある一件に目が止まる。

<呉>
音楽頑張ってね!七夕祭り成功させようね。青春☆笑

  あ、ほら、
  呉先輩もう書いてくれてるし!

  さっきは楽しかったです、でー
  続きなんて書こう
  早くしなきゃ
  てか六件も増えてる


ブツクサブツクサ、大忙しだが、

「七夕祭りOB来てくれるらしいし楽しみだねっ」

当然、ハンドベルグループの手前、ニコニコ調子を合わせる技は続けてるから立派だ。



君って人間はSNSの対応に追われ、対面してる皆をスマホ片手間にあしらうとか失礼しちゃうって?

そんな心配はご無用、
学校の国の風潮だとノープロブレムだ。

そう、君たちの物語では、ネットも現実もどっちも片仮名のリアルなんだ。

どうせ大人たちは、『は? 現実は英語でリアルだろ? どーいう意味だよ、これだからゆとりは……』って思うかもしれないが、

片仮名表記のリアルは学生的にニュアンスが違う。

その訳は、君がケータイ小説を316ページまで読めてる時点で了承済みだと仮定して突っ走ろうか。