長年荒い掃除を受けた効果かタイルの溝はなだらかで、水の通りは定まらない。
蛇口を捻った湿り気を利用し、前髪を調整したり手櫛で毛先をまとめたりして、
最後は鏡のアタシに軽く微笑みかけると、オシャレ娘らしくて大変立派、
いくら手を洗ったとはいえ、トイレ空間で躊躇いなくジュースを飲められるならば、
キラキラ女子高生の素質がある。
まともな生徒が授業を受ける頃、
メイクポーチを広げ、君たちグループはお化粧直しに精を出していた。
「ねね、体育見た〜? ジムってばドリブルん顔やばくない? 必死すぎだよ〜目つき怖いよ〜」
玲ちゃんがあだ名がジムのショボい男子をイジる話を始めたなら、
「あれヤバイかったよね、気持ち入りすぎでね〜」と澪碧嶺が被せ、更に玲ちゃんはジムの顔マネをし、
「アハハ、玲ちゃんそっくり〜!」と、ルルナがやかましく笑う。
面白くなくてもはしゃぐ。
これはご存知の通り、中学生や高校生の多くに見られる傾向なんだけど、
ただ、君たちの雰囲気を『キャハハってノリ良く弾けられてこそ学校で威張れるって思ってるんでしょ? 若いって痛いわ〜』的に解釈するのは浅い。
そっち系、自分たちが一番イケてるとか、権力を誇示するとかじゃなく、
君が通う学校は、『アタシにはこんなに愉快な親友が居るんだょ〜』『お友達たくさんだからアタシ嫌われてないでしょ?』って、
自分たちの仲良し感をクラスメート皆に見せ付けたくて、
いいや、自分は孤立してませんって保険アピールしたくて、
つい大袈裟に楽しそうにしてみせてしまう系なんだ。
学校の国の住人は、だいたいそんな感じだったりもする。
もしかして、君もかな?


