おとり化粧室


「彼氏居るのかな、普通にタイプだ俺」
「いやお前はムリだろ」

「髪の毛ツヤツヤだねぇ」
「トリートメント美容院のかなあ?」


男子に女子、聞こえてるけど聞こえない声は、まるで有名人になったみたい。
悪口とは真逆のチヤホヤ噂に名前が挙がるのは光栄だ。

皆アタシを見て、可愛いと言って、オシャレだと褒めて、
君はご機嫌、ニヤケ面をやめられない。



  嬉しいかも

  女子高生って感じだよね
  自過剰でも幸せ




そう遠くないある日、

『あの子と一緒に居たらアタシまで道連れだ……』
『あの子のコト別に嫌いじゃないけど周りの評判良くないから関わらないようにしなきゃ』
『あの子に皆の前で話しかけられたらどう反応すればいーのか謎だよ』

イジメられてる訳でもないが皆に煙たがられてるキャラクターに変身するなど、これっぽっちも考えもしない君は、

相変わらずのおとぼけフェイスで内心偉そうにふあふあグループで行進中だ。


めでたし、めでたし、
お花畑が似合う住民どもが慈しむ学校の国は今日も平和だ。




さて、君の女子力はというと、


「君チャン、なんか今日ちょっと面白いよね。ギャラリーが」

親友ルルナに、やんわりとあなたは特別な存在だと口にされたなら、

「えー? 気のせいだよぉ、どうせいつもの澪碧嶺チラ見だよー?」

アイドルなアタシに余裕でキョトンしちゃえるレベルだ。

しゃしゃりひゅったんとパクリ澪碧嶺のコラボ事変に比べ、成長したんじゃないかな?