もう一回。
入学式に戻れたら君は誰に話しかけるんだろう?
最近、よく考えてる。
多分、澪碧嶺にも玲ちゃんにもルルナにも、君は声をかけないはずだ。
なんとなくほわんとした髪型とかふわんとしたお化粧の仕方に仲間意識が芽生え、
自然と四人は集まっただけで、
同じグループ行動をする未来がちゃんと楽しいかどうかまでは考えてなかった。
「てか冬夜坊主にするからね、なんかさっき購買で早速昔みたいに喧嘩ふっかけられたみたいなの。
あーあ、玲やっとマニい趣味こだわるインドア君でも私服ちょいオシャレん草食系に冬夜改造できたとこだったのに悲しいよ〜。
てか草食って死語だよね、玲もう若者ん流行り分かんなーい」
一般的な子は、『ウチの彼氏は中学時代悪かったけど改心して今はヤンチャな面影なくてカタギだよ〜』的な内容を吹聴する作業に忙しいらしく、
例にならい、玲ちゃんも女子高生活動に励んでいる。
そうして、恋人を心配する親友に、「冬夜くんなら玲ちゃんと付き合って変わったから大丈夫だよ」と澪碧嶺が、
「みゅあねの言うとーりだよ〜」とルルナが、
仲良く奏でるお喋りを背に、君は負け試合だろうが時計と追いかけっこする。
新生活、微妙に失敗したのかもしれない。
君が話さなくても三人は楽しそうで、別に意地悪をされてないけどなんだか君は悲しかった。
性格っていうか、一緒に居て全員が盛り上がれるかどうかまでは、初めましてが通用する四月じゃ見抜けない。
もう五月、仲良しグループは確かに成立してしまっている。
ねえ、四月、今の君なら誰に声をかけたのかな?


