おとり化粧室


別に良かった。
君は矢尾君に利用されても構わなかった。


互いの利害が一致してるんだ。


矢尾君レベルの男子にイジられると、

女子には『あんなイケメンに気に入られるのは難しいのに可愛いのは凄いな』って憧れられるし、

男子には『あんなイケメンと並んでさすが絵になるなぁ、可愛いなあ』って余計価値が上がるし、



君レベルの女子をイジれると、

男子には『あんな可愛い子を気楽に扱えてやっぱイケメンはすげぇな』って尊敬されるし、

女子には『あんな可愛い子と仲良くできるとか相当イケメンだからだよね』ってチヤホヤされるし、


謎の学生相乗効果で、二人はますます高めあえる訳だ。



さて、ここまでくれば、学校の国の文化を大分理解できてきたことだろう。

可愛い制服にオシャレな風習、個性豊かな国民たち、住みたい国ナンバーワンに選ばれるのはいつかな?




チャイムが鳴り、大人の国から出張で頑張ってる先生が席につけと呼びかける。

皆が自分のポジションへと動くのに気付き、

「後でプリちょーだいねっ!」と一言残し、ひゅったんは笑顔で走り去った。



「…………。」


  お前の目的はそれね


結局、気分が良いのも束の間で、いつものように君はイライラした。



だって、