おとり化粧室


『アタシ男心分かんない』
『女心なんかオレには謎』

こんな感じがオシャレ会話の一文だと疑わない高校生をやってる思春期の君たちだから、

君の想いは矢尾君に伝わらないし、矢尾君の思惑は君にバレない。



男子も女子もすれ違うのが運命だ。

よって、退去命令に矢尾君は従わないし、むしろ君の訴えにさえ気づいてない。



「わぁ〜、ごーめーんーねー」

そう、矢尾君ときたら棒読みスマイルで君の髪をグッシャグッシャにかき混ぜやがったんだ。

ちなみに補足情報、これはイケメンの得意技・スキンシップってやつだ。



「な、!、ばかー」


昨日の今日、
花嫁先輩効果の今日は、
一年どころか二、三年の皆に『君チャン』をチェックされると計算済み、

メイクもヘアも早起きして頑張ったのに、めちゃくちゃにされて腹立つところだし、

ましてや、今、
やっぱりひゅったんたちの手前、

自分だけが異性にジャレられる状況は女子高生にピンチだから、平和を脅かされムカつくところだし、


でも矛盾、正直嬉しかった。



それは何故かな?

そんなことが分からないようじゃあ、君はケータイ小説を読むより先に教室で道徳の勉強をするべきだと、

仲良しグループのリーダーにキレられて、準レギュラーに降格されちゃうため要注意だ。

という訳で、分かったフリして267ページに備えよう。