おとり化粧室


やっとこさ解放されたっていうのに、


「はい、だいじょーぶ」


子供っぽい笑顔を向けられたら、たとえそれが男子力の計算だとしても、やっぱり胸キュンするのが女子だ。



別に君は矢尾君を恋愛対象で好きじゃない。
でも、女子高生モードでは普通に好きだ。


矢尾君の彼女がヒステリックに束縛しまくるのは、

今回のように、彼氏が毎日女の子をときめかせるせいなんだろうと、ようやく擁護する。

だって、もしも君が恋人なら、皆のハートをキャッチしちゃう彼をきっと独占したくなるはずだ。



悔しいけどドキドキしちゃう。
でも、その動揺を鎮め、「もぉ馬鹿〜髪ヘンになっちゃうじゃない!」ってあくまで友達ノリで文句を投げる。

そう、あんまり絡んだら玲ちゃんたちにタラシって悪口言われるから、あんまり矢尾君と関わりたくないのに、

矢尾君は矢尾君を辞めず、「元からヘンだから安心したまえ」って、

馬鹿の一つ覚えみたいにポンポン君の頭を叩く。



今が二人きりならアリだけど、嫉妬深い皆の手前馴れ馴れしくしてほしくない複雑な乙女心を、

大人の国のオバサン、失礼、オトナ女子の皆は忘れていやしないかな?


学校の国で親友と楽しく青春したいなら、男子に自分だけが可愛がられすぎるのもネック、

まずは仲良しな女子メンバーと、しっかり愛し愛されの信頼関係を築いとかなきゃならないんだそう。


  玲ちゃん内心怒りそー
  ううん、
  ひゅったんもヤバイって

  やだな、
  矢尾君どっか行って


君の切実な願いは矢尾君に届くのかな?