おとり化粧室


皆の心理バトルを客観視し、『可愛らしいわねぇ〜』って余裕ぶっこいている。

ひゅったんも玲ちゃんも澪碧嶺もルルナも本当に若いだけなんだ。

どんなにアタシがアタシがって前に出たくったって、花嫁先輩の妹分の座には及ばない。

何もしなくても地位と名誉と声明と、女子高生が手に入れたいすべてを君一人が既に持ててるんだ。

そんなことさえ嫉妬にかられ、見えていないなんて若すぎて笑えた。


玲ちゃんの媚売りは愚かしいし、
澪碧嶺の自己防衛は恥ずかしいし、
ルルナの君叩きは汚ならしいし、

特に、

「いやいやいや」

三人にベタ誉めされ、まんざらでもない癖に否定しちゃってるひゅったんは嘆かわしいったらない。


そう、君ぐらいのレベルの者からすれば、ぶっちゃけ四人とも痛々しい滑稽集団だったんだ。



でも、心にゆとりがあるとそんな意地悪モードも楽しめず、ただただ四人の女どもに高貴な君は優しくなれるらしい。


「先輩ってタピオカ嫌いなんだってー面白いよね」
「先輩って衝動買いはしないらしいよ、偉いよね」
「先輩って二人乗り上手なんだよ、彼氏もたまに後ろ乗せたげてるみたい」

コイツらが聞きたくてたまらない花嫁先輩の情報を小出しに教えてやれた。

わざと、『こんな話ツマンナイよね?』って感じの口調で喋り、

『アタシは興味ないけど皆は先輩の話まさか知りたいの?』って感じのオーラを出し、

相変わらずの君はケータイ小説を黙読してみる。

大人たちドン引き光景だろうと、学生社会的には素晴らしい名画なんだ。
こりゃあめでたい。
一般市民も今や無敵セレブに進化しましたとさ。