おとり化粧室


ひゅったんに対するストレスを見事に鎮圧し、

男子には見えない女子力を使った皆が見惚れる笑顔で「そうなんだぁ」と、こぼし、

彼女の見苦しさをケータイ小説を見ている君は見逃してあげた。


ほら、せっかく読んでやった雨季の書物で新技を得られなかった君だけれど、

スマホ勇者・女子高生で最初に覚えた簡単すぎる笑顔魔法ごときも、

バトル物語みたくしぶとく大切にしておけば、古臭く地味な能力でも実を結び、自身のレベルを上げられるんだ。


ベッタリつるむふあふあグループは女子高生を頑張りたい。


「ひゅったん顔広いよね! 玲なんかキャラ薄いもん」

玲ちゃんはボスを喜ばせたいがために、可愛くてオシャレでモテて明朗な自分はキャラが薄いなんてこれっぽっちも思ってもないけど、

自分をけなして相手に取り入る手法を用い、


「そんなことないよ、玲ちゃんよりウチのが知名度ヤバイよー」

澪碧嶺は『あんた自分のこと可愛いって自惚れてない?』って、内心ひゅったんたち皆にひがまれてなくもない現実を少しでも緩和しようとし、

『うえーん……アタシは自分に自信がなぃの』って謙遜攻撃で相手の懐に入る術をかけ、


「えー澪碧嶺は可愛いから別だよ〜、ひゅったんは一年で一番有名だもんねぇ」

ルルナは、まず澪碧嶺に『あなたは可愛い』の誉め技巧で一人目の支持を狙い、

次に、ひゅったんにクラスで一番可愛い澪碧嶺よりひゅったんの方が価値があるんだって『あなたは偉人』の尊敬策略で二人目のポイントを稼ぎ、

最後に、君に『だからお前は論外な!』ってあてつける高度な攻撃をしかけていた。



そして、君、君は――