おとり化粧室


『いやいや、アタシ噂とか聞きたくないのにたまたまその場に居合わせただけだし、しかも同調してないし、

そもそも噂とか信じてないし、誰にも噂話普及してないんだから、あんな奴らと同類にしないでよ!』


無罪を訴えたい君なんかだと、こう叫びたいんじゃないかな?


でも、君は君が思ってる以上に、しっかりと女子高生を生きてる。




『皆ってば噂を信じて幼いなぁ、あの子が可哀想じゃないの。アタシは部外者として黙ってほとぼりが冷めるまで待つよ。

ことを大きくしないためにも噂なんかを知らないフリってのも大切じゃない? 下手にアタシが庇う真似してでしゃばったら、余計にあの子に風当たりが強くなるかもだし……そうだよね?』


確かに分かる。
根拠もあやふやな噂話に惑わされない芯の強さは立派だ。


でも、女子高生アイテムの友情は?

君の言い分だと『イジワルな皆と違って性格の良いアタシ』っていう自分の評判だけはバッチリ護れるけど、

弱ってるターゲットの子の力には一つもなってあげられてないんじゃないかな。



でもご安心を。
君は悪に染まってない。
女子力高い子ほど何も働かない傾向だから、それで普通なんだ。

そう、ネタにされた生徒だって人権はあって、『恥ずかしいよ、バレたくないよ、もうほっといてよ』って人知れず泣いてる訳で、

そこを『皆ダメだよ! 仲良くしようゼ!』って教室でヒーローぶったら、

余計に傷つけちゃうかもしれないって考えた上で、


『大丈夫、アタシは味方だよ?』

こっそりテレパシーを送ってるんだ。



だから、そう、