中学卒業を機に、雨季は誰に言われる訳でもなく大好きなアニメを封印した。
本当は大人になってもずっとずっと大事にしてくつもりだったけど、
DVDにCD、ポスターに人形、アニメに纏わる全てを売った。
好きを捨てたんだ。
そのお金でお化粧品やお洋服、アクセサリーにコテ、女子力道具を全てを買い漁った。
ねえ、それが雨季の意志だったと思う?
雨季をそうさせたのは、君たちクラスメートのせいだって、そこのところ分かってるのかな?
のっぽガリガリ呼ばわりも、見方を変えれば長身細身スタイル抜群、
雨季は雨季でも、雨季は別人、
四月のあの日、十五歳、
自分の中に住んでいた『アタシが男子なら付き合いたい女子』が、リアルの世界に抜け出した。
高校デビューは成功らしい。
『クールビューティー』
『かわいくね?』
『大人っぽいねぇ』
その他とは違うセンスに、一年二組に緊張が走る。
雨季が席につくなり、地元勢で完成済みのひゅったんグループに話しかけられてた。
キラキラ輝く教室の一角を、玲ちゃんたちと初めましての挨拶をしながら君は見てた。
そう、今日、中途半端グループで小さくやってる雨季だけど、実はひゅったんグループ出身だったんだ。
『えー、そりゃあまあ可愛いけど言うほどかわいーのー?』って君が妬まなきゃならないレベルで、
ひゅったんグループの中心に、確かに雨季は居たんだ。
不思議、これってデマ情報かな?


