おとり化粧室


赤い口紅でもビジュアル系やB系と違うグラマラスっぽい感じ、

ギャルって言っても、大まかで初期の2000年ハイビスカス派手さんとか、

中期の2004年お色気露出さんとか、後期の2006年清楚お姉さんや甘め妹ちゃんとか色々ややこしいが、


とにかく昔ギャルやってた世代、
女子高生時代に『他社携帯に絵文字送れないよー』の二十代後半ぐらいから、

『ルーズソックス没収されたよぉー』の三十代前半ぐらいに支持される黒いアイテムが多いアパレルブランド、

足元はモダン建築的なヒールのブーサンとか編み上げニーハイがありゃあとりあえず賄えて、

パンツならぴったりめとかユーズド加工のデニムショーパンで足のラインが売り、スカートならスリット入りロング丈とか革の激ミニで奇抜狙い、

トップスは夏なら無難タンクトップ冬ならシルクシャツで飾り気ナシ、アウターは軍隊っぽいコートとかポンチョとか一癖アリが好き、

小物はスタッズとかスカルでハードに決めて、髪型はワンレンスーパーロングとかベリーショートとかで一般ウケを外したい、

黒髪とか赤毛、金髪とかメッシュがカッコいいと様になる感じ、


鋭くも女らしいファッション、

照明は暗くて試着室も隠れ家みたく凝ってる店内は、自分のセンスに自信がないと入りづらい雰囲気、


そんなショップで私服を調達するのが雨季で、

彼女が夢見る女子高生は、『皆より背伸びでオマセな大人なアタシ』だった。


セーラー服の着こなしは普通なんだけど、

太陽の下では赤味を増す腰まである艶やかな髪、グレーのアイシャドウがスタイリッシュな印象を受けるつり目、

不自然な束っぽさが逆に雰囲気に馴染むつけまつ毛、五秒凝視すれば微妙に緑っぽいカラコン、

モードなベージュの唇、お化粧のトータルは百点、

そう、入学式のあの日、
一年二組に現れた雨季はハッキリ言って、

君たち同級生目線で、とっても街中が相応しい女子高生そのものだったんだ。