たとえば、雨季と同じく一般にまだ浸透してないアニメファンの生徒が居た場合、
猫背とか肥満とか、さっき挙げた質の低いイジメの悪口にぴったりな外見でも、
雨季より可愛くないその子が性格でクラスメートに好かれてたら、
『その子ウケる〜アニメ好きとか流行りのサブカル路線ですか?!』
『自分でお気に入りシーン動画アップしてるらしくー、その子って笑えるよね〜』
『その子が推すからさ、いっそ観ることにしたら自分がハマったからー。他にオススメないの?』
こんな風にワチャワチャと好意的にイジられるものなんだ。
イケメン男子がペットボトルにくっついてるおまけグッツをプレゼントしたり、リーダー女子がCD屋でコーナー組まれてる様子の写メ送ったり、
皆がその子の周りで楽しそうに笑ってる。
でも、雨季は違った。
『遊ぶ友達いなかったから雨季はアニメばっか見てるんだろうね、同情しちゃう』
『オシャレしないからお金使う道がアニメしかないんでしょ、なんか雨季って可哀想』
『男子に絡んでもらえないから雨季はアニメんキャラに恋しちゃうんだよ、二次元二次元って強がって本当は辛いんだろうね』
さっきの恋愛サンプル、精神的にガッツリ振る彼氏を思い出して?
雨季はそういう内面がやられる友情パーティーの主役に祭り上げられていたんだ。
何が目的のパーティーかっていうと、雨季の本はこの世に存在しないため憶測になるが、
外見をイジられたら、悪口言う奴らを『低俗』『クズ』って罵れるし、『中身を知ろうともせずにガキ臭い』って呆れられるのに、
内面に引かれたら、『ああ、アタシって人として嫌われてるんだ』って、
雨季が弱るしかできないようにすることだったはずだ。
雨季の心を壊したのは皆じゃなくて雨季自身っていう微妙なニュアンスを、
平和ボケ気味の君に、無事お分かりいただけるかな?


