おとり化粧室



  あー、でもあれだ
  先輩と仲良くなったら
  フツーに皆、
  態度変わるんだよね

  玲ちゃんとか特に。
  ひゅったんも

  だってあの先輩だよ?

  ちょっと、
  、オイシイ……かな
  うん。良いよね


君が暇潰しに目を通してやってるイジメがキーワードの稚拙なケータイ小説ごときに、

裏とか含みとか主題とか訴えとかそういう系、
空回りが過ぎる作者のせいでためになる台詞や素晴らしいメッセージ性はゼロなんだけど、

どんなに空っぽなダメ話だとしても、

そこをいちいち深読みして教訓を導き感動しちゃう方が毎日が美しいはずだと、

読者の君が大人になってあげて、今夜も読んでやる。



ところで、学校の国で幸せの簡単な作り方は勘違いなんだとか。

玲ちゃんだって彼氏を運命って勘違いしてるから幸せだし、

澪碧嶺だって自分を一年で一番可愛いって君の存在を忘れ勘違いしてるから幸せだし、

ルルナだってアタシは何も勘違いしてないって勘違いしてるから幸せだし、

君だってスマホがすべてだと勘違いしてるから幸せだし、

花嫁先輩だって読モに受かったアタシはこの学校で一番美少女だって、君の美貌を見落とし勘違いしてるから幸せだし、


皆だって『アタシたち仲良し』って女子高生を勘違いしてるから幸せだし、

本当、この国は星の煌めきに負けないほど幸せに満ちている。



  明日、楽しみかもっ

花嫁先輩とのプリクラを観察し、ルックス勝ったって鼻歌奏でる君は、

つまんないケータイ小説だけどここまで追いかけてる分を思い、続きをクリックしてやろうと決めた。