おとり化粧室


「えー? 先輩、が、ですよ?」
「違うって〜、だぁって君チャンさんばっか見てるもん」

「またまたあー、先輩ってばもお〜」
「君チャンさん可愛いよっ、告白になっちゃうけどわたしの憧れだもん」

「ちょっと恥ずかしいじゃないですか何ですかソレっ」
「本当のことを言っただけだよ〜照れちゃう」


この面白くない会話をニッコニコ長引かせる子ほど、女子力が高いとされてるんだけど、

そこのブラック加減を君は感じとれているのかな?

それでも、パターン化したやりとりの極意を『えぇ? なにがぁ〜?』ってしらばっくれる子を目指そう。




さて、昨日までを思い出してみようか。

『ねーえ、澪碧嶺可愛いって言われてるよ〜』
『どいつ? イケメンなら玲が逆ナンしたげる』
『も〜ウチのことじゃないよ絶対』

『でもまだ澪碧嶺見てる、ほら、隣ん男の子まで見てるもん』
『玲的に両方ないわ、澪碧嶺隠れな』
『も〜ウチじゃないよ〜ウチそこまで可愛くないもん』

『えー? 澪碧嶺可愛いよ』
『そだよ、澪碧嶺がブスなら玲どーなんのよ』
『アハハッ、もう、恥ずかしいからやめてー』


ふあふあグループは女子高生のプロだから、毎日こんな感じのお喋りをしてて、

君は退屈だなってケータイ小説を読み対処してたんだけど、


今や、

「もー、可愛い人に可愛いって言われたら可愛くなれた気がしまーす、勘違いしときまーす!」

なんて、バッチリ決まった返しができちゃえてた。


この短時間で、君は自分の内面が劇的にどんどん変わってくのに気づいてる。


「あははっ!」

楽しくないのに笑えるアタシ、
思ってないのに嘘つけるアタシ、
実践でしか学べない現役の特徴を掴めて嬉しかった。

そう、今や君のアタシっぷりは神に近い。