おとり化粧室


花嫁先輩と行動するのが怠い君は、二人で居るのに一人のつもりで放課後を楽しもうと決め、

「あー早くバイト代入らないかなぁーってあたし週一で薄給なんですけどね〜」って、口先だけはノリ良い女子高生を演じつつ、

何気にウィンドーショッピングしちゃってたり、

玲ちゃんの彼氏が通う男子校のかっこいい集団をちゃっかり観察しちゃってたり、

時間を有効に使おうと試みる。



「あー! 髪んスプレーなくなるんだった〜、先輩、あたしちょっとシュー買ってきたいです〜もうそろそろ切れるんでー」

コスメショップを指差し、後輩だからと遠慮せず、図々しく自分の要求をしてみると、

花嫁先輩は、

「あ、うん! 買っちゃいなよ!」と、快諾してくれて、君は思わず目を見開いた。


なんとなく、ここ一時間のイメージで『えー今日はわたしのコーデが目的でしょーう?』ってワガママされるかなって予想してた分、

意外だったので、やや好感度が上がったのも束の間、


「ちょっとわたし疲れたから座っとく〜、君チャンさんいってらっしゃーい」

平均台を並べただけっぽい近未来的なイスにいつの間にか座って、呑気に手をふられたせいで、


疲れたってお前が言うなよってムカムカするし、

まったく自主的に動かない癖に、こういう時だけは速やかに行動できんのなってイライラした。


  なんか、

  すっごい嫌いかも

不満ばかりを募らせるにも関わらず腹を割らない君は、

この先、周りにどう受け入れられていくのかな?