モバイル会員限定セールとかなんとかで、わりと賑わってる二軒目のお店だって、
君がしゃあなしで案内してやってんのに、
入って一分程度、
まだ店内一周していやしないのに、
「なんかここキュンってなる服ないねー」って、
悪気はないんだろうけど、花嫁先輩が普通に言うから君がムカついたのはわざわざ説明するまでもない。
うーざーいー
この女まじ嫌い!
じゃあお前が探せよ
あたしのセンス全否定かよ
イライラは体内まで、外に出しては可愛い女子高生っぽさが崩れてしまう。
夢に忠実な君はムカムカを飲み込んで、「えー? 一着ぐらい一目惚れしましょうよ」って笑えちゃう。
肩があいたトップスから覗かせたらポイントになる紐がビーズで可愛いキャミだって、
麦わら帽子にぴったりな胸下で一気に広がる幼い印象の真っ白コットンワンピースだって、
こんな先輩の誌面デビューのために、手に取るのも悔しかった。
「じゃあ出ましょうか、隣の店あたし好きでよく買いますよー。澪碧嶺とかとよく行きます」
「へえー、そーなんだぁー。」
提案してもノッてこないから腹立たしい。
しかも、普通は『行こ行こ』とか、『見たい見たい』とか、発言者に合わせてテンションアップがマナーなのに、
花嫁先輩ってば、動こうとしやしないんだ。
それでも世の中は不公平だ。
「あのコかわいーっ」
「細いね〜」
通行人がチラ見で評価しちゃうのは、君ではなく君の後ろでかったるそうに突っ立ってるだけの歳上ババアなのでしたとさ。
ほらみて、リアルは努力が報われず、なかなか上手くいかないでしょう?


