『どっか行きたいとこないの? 連れてってやるよ』
なんて紳士な彼だろう、
デートコースはいつも君の希望を叶えてくれた。
あれしたいこれしたい、なんでもワガママを聞いてくれた。
けれど、自慢の彼氏だったのは、六回目までの話だった。
『お昼なに食べよっか?』
君が言う。
『もう一時半かぁ』
彼が言う。
長袖トップスが一着五千円前後の学生内で持ってて役立つブランドが入ってる若者向けファッションビルを一通り見てまわり、
とりあえずキープして、先にお昼を食べようと表へ出たカップルがいた。
『お店決めよっか』
君が言えば、
『だなあー、この時間混んでるかもなぁ』
彼が言う。
『何か希望ない?』
君が聞けば、
『あー、何がいいかなぁ?、迷うな』
彼も聞く。
『ね、たまにはそっちが決めてくんない? いっつもあたしじゃん?』
君がおっしゃるとおり、元彼氏さんは男らしくないというか、優柔不断というか、
死語的な草食系というか、女々しいというか、
こっちに丸投げしてくるタイプっていうか、こっちを男前彼女チックに頼ってくるタイプっていうか、
なんかそういうタイプだって付き合う中で分かってきて、
少し、面倒臭いって感じるようになっていたんだ。
『アタシのカレシ、別にナヨナヨしてないけど心に芯がないんだよねぇ』
さて、この手の恋愛悩み相談を女子会で持ちかける子は、
とっても可愛い女子高生のリーダー素質があるそうなんだとか。


