おとり化粧室


『初めまして』が通用する期限内だと、なぜかルルナより社交的で無敵になれる君でも、

どっかで、『なんでこっちが気をつかわなきゃなんないのかな』って思うぐらい花嫁先輩はノープランで、

明らかに君に任せまくってるのが伝わってきて、ちょっと嫌だった。



少しは頭を使えよって、

本当は『……どこ見ます?』と、渋々な態度をとりたいところだが、

君は腐っても可愛い女子高生、
一時の感情でマイナス面を露出させる訳にはいかない運命、


「ね! 先輩どこ行きましょうか? あたしとことん付き合いますよ!」って、

元気いっぱい妹キャラを演じられちゃう。



ねえ、学校の国で女子高生は頑張ってるのを、誰かそろそろ認めてあげてくれないかな?

こちらに非がない何か腹立たしい出来事に出会った際、

小さなイラッを顔に出したり、愚痴ったりはただワガママな子供で、

グッと堪えてスマートに対応するのが人間社会を生きる大人で、


本当は腸煮えくり返るレベルでキレそうでも、

『えー? アタシむかつくとかストレスとかないよ、あっても寝て忘れるよーになってるらしく毎日悩みゼロで幸せだぁ〜アタシ神経図太くてウケる』って、

口先で本音を隠し、鈍感な子っぽくとぼけるのが女子だ。

まあ、ヘラヘラ能天気な子ほど誤魔化し上手だったりもする意図は同年代に伝わりにくいのだけれど。



『先輩から誘ってきたんだし、先輩年上なんだし、自分から決めろよ、気まずいじゃねぇか!』

そんなオーラを出さず、

『アタシ楽しみですっ!』って、愛嬌そのものになれる君って、

ほら、なかなか芯があると思わない?