ズボンを巻き上げ半端丈アレンジのエセ爽やか男子、シャツを捲ってノースリーブ効果の溌剌女子、
本屋で小規模に立ち読みを楽しむ塾待ち少年、本気スニーカーで変身コンパクトと無縁生活少女、
色んなタイプの高校生が歩きまわる街中は、若さでいっぱいだ。
「ついたあー!」
停めちゃいけない区間だけど、
老若男女、皆が普通に駐輪場にしてるせいで自然と自転車置き場化されてる金券ショップ前の通路に、
これまた花嫁先輩が一台追加した。
本当に突然だが、いよいよ憧れのお方の雑誌デビューに向け、
お買い物コースが始まる。
「暑いですね、汗やばいですあたし」
君が脇シューを腕に振りかけるのを見て、花嫁先輩は面白いと笑ってくれた。
自転車はむしろ邪魔、ここは歩いて六分以内にファッションビルが七もある君の地元だと最先端の街中で、
さて、まずどこに行けばいいのやら。
「ほんと今日あついですね」
「ねーえ、」
「日焼け止め意味ありますかね」
「あー、どだろねー」
「えと。着きましたね」
「ん、着いたねぇ〜」
……なんか、
……。
え、……てか、え?
花嫁先輩は自転車の横で突っ立って鍵をクルクル回してるから、
何か支度があるのかなって、場を繋ぐために君が喋りかけても返事が微妙に流し気味で、
かといって、変化は見られず本当に立ってるだけで何かする感じでもなく、
本日の主催者の癖に全然自主的に行動する様子がないっぽくて、
年上なのに、なんなのかなってちょっとよく分からないって思っちゃった。
君は『ん?』ってなった。
しかも、


