おとり化粧室


ふあふあグループ四人中底辺の君は、

彼氏語りな玲ちゃんと話のチョイスが違うし、武勇伝好きな澪碧嶺と食いつくポイントが合わないし、

協調性高いルルナと相槌の間合いがずれるしで、

あの三人と居る時、基本お喋りが苦痛だった。




それが何故?


『でも先輩、読モ受かるって凄くないですか?』

自分から話題を提供できてるのかな?


『またまたぁー! あの雑誌って競争率高いって聞きますよ、さすがです』

ヨイショを忘れずノリよく返事ができてるのかな?


『いきなり一ページも!? 編集者の人かなり先輩推しじゃないですかー、あはは。雑誌ん公式ブログの話とかくるんじゃないですー?』

リアクションもお上手、冗談だって挟んで、なおかつ質問文で聞き手に回れてるのかな?



すべては、君がそういう子ってことだ。

初対面の人や、普段あんまり絡んでない人を相手にした時、

君は抜群のコミュニケーション能力を発揮する。

グループ行動みたいにベッタリ深く関わるのは苦手だけど、

アッサリ浅く前提の子に対しては、なぜか頑張らなくても積極的になれちゃうんだ。


ただ、三人以上になったら社交的スキルに欠ける君は会話が困難で、愛想笑いに徹するのだけれど、

学校の国を見渡せば、

君のような二面性女子は、クラスにだいたい二人は潜んでたりなんかするんだとか。



  澪碧嶺とかと
  馴染めないってか
  もともと性格合わないんだよね

  価値観違うってゆか

君の周りはいつもそう。
君がそうだから周りがそうなるっていう発想でないのが君の個性だ。