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時間を操るケータイ小説らしさを出せば、君の今日という一日はもう午後三時半に早変わり。
帰りのホームルームで真面目に先生の話を聞く子って少なくて、
コソコソ部活の準備始める男子とか、放課後に向けてメイク直しに夢中な女子、
電車の時間との戦いでピリピリしてる野郎とか、ブログ更新に専念してる娘、
皆、心ここにあらずってやつで、教室は意識が散らばってた。
「はい聞いてー、昨日ナントカ線を利用するうちの学校の生徒のマナーが悪いってクレームがあったんですー。非常識なことしてたら学校名指しで呟かれますよー。行動に責任をね。とーくーに矢尾くーん?!」
眉頭の濃さで時代が判明する感じがやや惜しいアラフォー美人先生が、
カチっとめのテーマなのにチャラくオチをつけて二組の笑いをとり、話をまとめ、
チャイムと同時にさようならの挨拶をする。
それは、ドアに向かって皆が動き出す瞬間だった。
「君チャンさーんっ、迎えに来ちゃったぁ〜!」
逆流して花嫁先輩が登場した。
ねえ、彼女を彼女サン、猫をネコさん、
ひゅったんをひゅったんサン、君チャンを君チャンさんみたいに、
不思議なルールで変な呼び方をする子は、
学校の国の大半に、面倒くさい自己愛主義者だとやや引かれてるのに、
それさえ、あのイケメン先輩が惚れてる恋人ならば、可愛く思えるのはなんでかな?
「ねえ、玲ちゃんさんにルルナさん、それから澪碧嶺さんっ! 君チャンさん借りていい?」
トランプゲームを思い出して?
澪碧嶺はひゅったんにレンタルされた一方、君はひゅったんより遥かに素晴らしい花嫁先輩に誘われてる。
ほら、君は今、確実に澪碧嶺を越えた。


