「先に宿題答えあわせしときましょーか」
先生の声に反応を示すクラスメートの中、一人の生徒は考え事をしてる。
花嫁先輩と言えば、女子グループでつるまず彼氏とペア行動が常、
学校の国の風潮では、男優先友情後回し女はハミゴの刑か陰口の処罰と決まってるんだけど、
イケメン先輩の彼女って付加価値がある花嫁先輩なら、まず叩かれないし、
万が一批判する奴が居ても、好感度高い子相手だと自分が社会的に損をするため無に等しいし、
体育授業にしろ彼氏が欠席にしろ、いざという時は澪碧嶺のキャラポジションと一緒で、
誰かしら声をかけてもらえてるっぽい。
そんな神の存在に近い花嫁先輩が、わざわざお目にかける後輩は少なくて、
今日の君なんか一年生の世界では、結構な事件だった。
<良いなぁー!いーなあああ!>
玲ちゃんは『アタシのグループで神に選ばれし者が居るんだよ』って、
クラスメートに自慢したくてたまらない模様、
<プリクラ撮ってきてね>
カワイイの先輩がどんな感じなのかチェックしてやろうと情報収集に抜かりないルルナは、
『アタシのが勝った』ってほくそ笑みたくてたまらない様子、
<やっぱり先輩可愛いね、実物は違う>
学年の可愛い代表作の重圧でやや挫けてる澪碧嶺は、
『あんなオバサンよりアタシに注目してよね』って、嫉妬してる有様で、
授業中とか関係なく皆がメールを届けてくれた。
そして、君はというと、
オシャレしても澪碧嶺に美味しいところを持ってかれてた日々、
『やっとアタシの理解者が現れた!』
『ようやく報われる』
『ついにアタシの時代がきた』って、
いつもの調子、ビッチ臭を取り戻す。
いつもの席、いつもの先生、いつもの黒板、なのに一時間目の教室はキラキラ輝いていた。


