さあ、次の授業は遅刻決定。
先生に嫌な顔をされるし、真面目な生徒のひんしゅくを買うし最悪だ。
そして、悪目立ちするクラスメートに憧れている癖に、
ルックスに自信がないせいで弾けられないでいるイマイチな面子のグループに正論のみでけなされるのが地味に屈辱だ。
「あーしーがーつーかーれーたーよー」
わざと足を引きずるようにノロノロ進む玲ちゃんにイラッとするけど我慢しよう。
なぜって、学生社会は多数決が絶対で、
サボることに罪悪感ゼロの三人を前にすれば、一人の真面目さや正当性はワガママに変換されると分かっているから押し黙る。
これは弱さじゃなくて、正しい判断なんだ。
スマートフォンで時間を確かめると、後五分でチャイムが鳴ってしまう訳で、
購買にトイレに着替えにメイク直し、逆算したなら二十分あっても無理だった。
とりあえず、今日は最悪がいっぱいだ。
仲良し四姉妹なら、オソロで遅刻をする仕組みなのに、
なんとなく、君は三人より気持ち数メートル先を歩いている。
なんということでしょう。
もうお気づきだろうが、これは君が主役の物語。
そう、『甘々彼氏とドキドキ同棲ストーリー』ってな感じのあらすじは字面が魅力的だけど、
残念、潔く夢は捨てようか。
リアルの場合、キラキラ女子高生の裏を暴く毒々しい観察日記が似合う。


