おとり化粧室


本気で女子高生やってる玲ちゃんと君は千里眼に冴えてるから、

口が軽い子みたく澪碧嶺の悪口を言いまくってあっさりスパイにバレて自滅して、

『ふあふあグループ分裂危機?!』な〜んて幼稚な女子っぽいトラブルを避け、

この学校で今、人気がないプールの裏へ移動することにした。



<2時間目もサボる。真面目にプールで女子会です笑>

玲ちゃんは呟いて、

君は<塩素な女子会かわいくない>と、プールの写メをつけてブログを更新した。

誰かと居るのに携帯電話をいじるのがいただけない大人に批判されるって分かってても、

学校の国では実況したがりぃが多数なので仕方がない。



「ネムじゃなく玲ほんとに眠くなっちゃった」
「えー?」

「玲眠いよー、あ、ネムじゃなく眠気の方で」
「玲ちゃんわざとらしーよー」

「バレたぁ?」
「眠いんじゃなくてネムいんでしょお」

他愛ない会話でクスクス笑ってたら、

トテテって効果音が似合う仕草で小さな女の子がセーラー服のスカーフを揺らしながらやってきた。


「ごめーん、おーまたせー」


両手を広げたまま走るルルナが構えてない玲ちゃんにテンション高く飛び付いたなら、

バレーボールがネットでバウンドするみたいに玲ちゃんが柵で跳ねた。

スカートをダイナミックに捲り地面に転がる二人は、なんとも女子高生っぽい図ではないか。



仲良し四人組なのに一人ハミゴの今、授業をサボり中の今、悪口がネタとして許される今、

――今、リアルが輝きだす。