「続き読むね。てか、このおからクッキー無添加無着色、美肌に良いってネットで評判なの。ママお気に入りで残り全部食べられ――」
コンプレックスを好きになりたい分、メイクが下手な親友が忙しく唇を動かすのを遮り、
「貸して!」
返事も聞かずに君は玲ちゃんのスマホを奪い、画面に食いついた。
そして、クッキー箱の写メが目に入った瞬間、寒がりな女の子よりも身体の芯が冷えてしまう。
まじ澪碧嶺ネムい!
澪碧嶺きらい!!
信じられない、ミュージカルっぽい面で君は説明を始めた。
澪碧嶺が紹介しているクッキーは君がインターネットでケース買いした品で、
君が澪碧嶺に先月教えてあげたばかりなのに、『君チャンが美味しいって言ってて〜』って書いてるなら許せるけど、そんなこと一言もないし、
ママがお気に入りっていうエピソードは百パーセント盗作で、
『八箱買ったけど二箱で飽きて食べずに放置してたらママが気に入って二日で二百四十枚食べちゃったの』って、
二週間を二日に盛って話した内容にそっくりだ。
そんないきさつを暴露したなら、玲ちゃんは信じられないと怒り出した。
誰かのために一緒に腹を立てたり、泣いたり笑ったりできるって、
本当、君と玲ちゃんは素晴らしく、一日で友情を完全させてるのがよく伝わる。
そんな訳で、可愛い女子高生って、友達ならだいたい二日で親友になれるし、
彼氏ならたいてい二週間で一生の愛を誓えるという、非常に心が柔軟な素晴らしい生き物にも関わらず、
君たちの絆を大人たちは、軽いと度々けなしてくるんだけど、
恐らく、彼らはツンデレ風なだけで、素直に若者が羨ましいと言えないんだろう。


