「とーっても楽しかった、ひゅったん誘ってくれてありがとね、だってー。うーわ、待ってよ待って、これ嘘激しくない?
だってこの前ネムひゅったんのワンピけなしてる癖にね〜? 自分のがひゅったんより可愛いとか言ってたよね〜?!」
天性美少女の澪碧嶺にライバル心を燃やすメイクアップ達人すっぴん貧相玲ちゃんは、
三万円のワンピースを自撮りしていたひゅったんを最初に叩いたのが自分だっていう事実を忘れたのか、
『ひゅったんが嫌いなのに仲良いフリする澪碧嶺は性格が悪すぎます!』って、
一心不乱、君に訴えてくるなら、
『あの頃は良かった』『あの頃は毎日が楽しかった』って、
辛い出来事を消去し学生時代をただただ美化する大人たちの幸せの近道を真似て、
都合よく記憶を改ざんしてみようか?
「ウンウン! 言ってたよね〜! 付き合うならひゅったんより自分みたいな子を選ぶかな〜みたいなこと言ってたのに……よくこんな仲良さげに書けるね」
すると、可愛い女子高生の過去に幻聴が聞こえてしまうらしい。
澪碧嶺が言っていそうな内容をそれっぽくかませば、
なんか本当だった気がする不思議。
デマでリアルなお友だちを操作できちゃう裏技を、いつの間に習得したのか謎。
どうやら、学校の国に存在する未知魔法はまだまだありそうだ。
……んー、
つけまつ毛の使い方がダサい玲ちゃんをチラ見して、
君はマスカラ一度塗りだけで天使の羽みたいに空へ伸びる美しいまつ毛を、
左手の小指で撫でてみる。


