「皆で自習トランプしたよ、楽しかった、でも三回連続で負けちゃって凹んだの、でもね、矢尾君やさしくって、『連敗も才能だ』って、励ましてくれたから、次は勝てたよ!
だって。あー、読むの疲れる。でー次は……うげ、こっから超ぶりッ子。やばいっす、続き読むよ?」
もしかすると、玲ちゃんの表現力の豊かさは海外にも通用するかもしれない。
だって、返事を忘れるぐらい、唇のみで確実に君の感情を揺さぶっていた。
「トランプ弱い子は矢尾君パワーで勝てるから矢尾君おすすめです、これからトランプする時は矢尾君にお願いしよっと、よろしくね矢尾君わらい、だって。
ちょ、ね?! 何これ、矢尾君パワーとかマジ意味不、てかトランプネタ引っ張るなあ、おもんないし! 矢尾君矢尾君とか、も、女子力やばいよネムいよ!!」
昨日、玲ちゃん本人はこの記事を読んだって言ってたはずが、
まるで初見かのごとく『信じらんない、ありえないよ〜』って感じのリアクションをとるのだから、
やっぱり彼女は役者方面が向いている。
でも、親友の隠れた才能に気づいてあげられる子は稀で、
「こんなん矢尾君に媚びすぎでっしょおー! 引くよね〜!」と、
君は澪碧嶺攻撃に夢中だった。
なぜって、先に玲ちゃんがバッシングした経緯があるなら、
それに乗っかるのは別に安全だと判断した結果であり、
「矢尾君の彼女って束縛しぃなんだよね? こんなん知ったら矢尾君大変だろうね〜」って、
矢尾君を心配するフリをして、
君が何をしようとしているか想像つくかな?
ヒントは、親友を手に入れた女子高生の女子力が高いってことだ。


