おとり化粧室


さて、ついさっき地球に記念すべき異変が起きたのを、

果たして何人の賢者が気づいたことだろう。


『ないわー』
『それ引く』
『やばくない?』

誰かをネタに三語で盛り上がるノリこそ学生らしいのに、

それをシリアスがてら悪口に捉える方が愚かしい。


そんな訳で、今日は学校の国に、黒髪スマホ戦隊・女子高生が新たに誕生した記念日となる。




平和な国民は何も知らない設定だけれど、

不意に『バイト先の顧客情報ペラペラ投稿する高校生って幼いよね〜』って最近のモラルを嘆きたい人は、

悪の組織と戦い必至で地球を救いたがるヒロインの未来を応援した方がいい。

だって、たった一日、たった一日で澪碧嶺を餌に、玲ちゃんルルナを手に入れるなんて、君は人間国宝だ。



それから玲ちゃん、
玲ちゃんも君に劣らず大人な性格だと認めざるを得ない種明かしをしようか。


さっきまで散々澪碧嶺をけなしてたんだけど、玲ちゃんは頭がよくて、

万が一、君が澪碧嶺とヨリを戻した未来、自分の安全を築こうと、

『ちょっと調子に乗ってアタシとしたことがあの子の意地悪発言しちゃってたけど違う違う冗談だよ、アタシは性格悪くないからこうやって親友を労えるんだょ』って含みを込めて、


「いやー、でもやっぱパクられる方がつらいよね、君チャンよく耐えてたね? 玲なら鬱になるよ〜」って、

突然、君を気遣うニュアンスのお喋りに変えてきてる。

なかなか小技がきいているでしょう?


そんな話で、
十六、七歳の娘を持つ親御さんは、急いで二階の部屋を開け、

『将来を考えた人間関係計画的で偉いね〜』と、我が子を誉めてあげよう。

そして、『こんなにも他人想いなアタシを捨てたら許さないからね?』っていうデスメッセージ入りのアツい思いやりのある子に育てられた自分を立派だと讃えてみよう。