そう、これは道徳授業に劣りまくるそこそこ滑稽な物語だ。


ここは学校の国、

家族の前だと『疲れたー疲れたー』『なんか今日イライラする』

『めっちゃ眠たい』みたいな文句炸裂ワガママ甘えたフツーの十六歳だけど、

中学時代がパッとしないポジションだった事実をなるべく秘密にしたいコンプレックスへたれフツーの十六歳だけど、

オシャレを頑張れば皆に慕われるキャラを獲得できると信じて、

『いってきます』の決め台詞で制服に変身すれば、

たちまち『〜純愛伝説〜スマホ勇者ジョシコーセー』となり、

教室を舞台に謎のイジメ平成ビッチ組織と戦う君の物語だ。



早い話、学生時代は腹の底で、

『高校デビューしたつもりの中途半端な女子って暗い子には偉そうにしてるけど目立つタイプには卑屈になるくね?』

みたいに思っていた大人がセンチメンタルに食いつける予定のケータイ小説だ。




さて、問題です。

普通の女子高生はいつまで無垢でいられますか?



天然ボケに憧れる子には難題だ、戻るボタンを押した方がいいかもしれないかな。


天然ボケを『ただの無神経』、『学習能力のなさがヒドイ』、

『可愛いに甘えた自己チュー』、『コントな努力は尊敬したい』などなど、

そうブラッキーに見ている子は次のページに進むべきだ。




メイクで生まれた可愛いアタシ、オシャレ抜群、完璧モテ子、

鏡に向かって笑顔の練習、
自分語りに忙しい自分大好きファッション女子高生しか存在を許されやしない。

……――おとり化粧室、スッピンは命取り。