おとり化粧室


本当の親友になれたなら、

話したいことがたくさんあって、聞いてほしいことがたくさんあって、

とにかく時間が足りないんだ。

恋人ばりに信頼関係を築ける子とは、無条件で一緒に居たいんだ。


そう、君は玲ちゃんと喋りたくてしょうがなくなってしまっていた。


灰色廊下も二人で歩けばカラフルミラクル、

心が楽しいと校舎が好きになる。



「早速みつあみしてんねー君チャンに同情しちゃうよー」

「でしょ〜? 良かったよ二人が分かってくれたなら!! ちょっとひどいでしょ?」

「いやー玲気づかなかったぁ、あそこまでネムがアレだとは。真似えげつないね〜ないよー」


人の噂が生き甲斐な玲ちゃんは、玲ちゃんの世界観で盛り上がってるようだ。


「玲ちゃんありがとうね! 分かってくれて!」

可愛い女子高生がモットーの君は、君の台本通り進む未来に浮かれてみた。



ずっと誰にも言えなかった。
本音を語れて嬉しい。
本音を聞いてほしい子に出会えたことが嬉しい。
本音を聞いてくれる子と親友できて嬉しい。

こんな感じで女子力高い乙女たちは綺麗に飾りたいようだけど、

リアルは、年齢制限が必要だ。


だって、

『長年溜め込んだ悪口暴露できてスッキリするわ!』
『アイツなんかもっと嫌われちまえ!』

君はこんな罵声が得意な癖に、

「なんか玲ちゃんって人の気持ちを汲み取ってくれて優しいね」って、ほざくことは容易いし、

『アタシ陰口言ってないよ?』風に良い子チャンを装うことは楽勝だし、

『あなたの人間性を認めるアタシ性格良いでしょ』的ヨイショを忘れないことも朝飯前なんだ。


となれば、もしかすると日本の国の男子や大人には、君がビッチに見えちゃってるのかな?