おとり化粧室


桜、
真新しい制服、
半信半疑な通学路、
教室で一人にならないために、四月のあの日にグループは結成される。



同じ授業を受けたり、ナントカ先輩が別れたヨリ戻したって具合のくだらないメールをして笑ったり、

夜遅くまでカラオケに居座りダラダラ遊んだり、放課後部室の一角で恋愛遍歴を披露しあったり、

本当に楽しかったのかな?



日にちが経つにつれ、ズレが生じてしまっていた。

時間にルーズだったり、話す内容がつまらなかったり、

お化粧を真似されたり、本当の自分を出せなかったり、

小さな不満は溜まりに溜まって、発散する機会がないようだが高校生は大丈夫なのかな?


だけど、独りポツンに比べたら、
気が合わない子でも我慢しとけばメリットが多い訳で、

そんな計算高さを批難する大人は乙女心に無神経だし、学校の国に対する知識が浅すぎるしで、

一般常識を備えた女子高生は、安心安全の道を無意識に選んでる。


とりあえず自分もグループの一員だって、窮屈に仲間がおさまったプリクラが証明してくれる。





――ねえ、それが友情な訳ないじゃないか。


ティーンが謳う親友って言ったら、心と心がかよいあう生き物らしいし?


『友達はいるけど親友はいません』って、堂々と発表できる子の方が実は内面が豊かなんだけど、

まだフレッシュさが売りな君たちは、仲良しな友達とは別格の誰かの親友になりたがってる。



『アタシたち親友だよね』


それは悪いことなのかな?
皆だってガールズトークではしゃげる仲間を夢見て入学式に挑んだんじゃないかな?


学校の国を監視してるかつて女子だった皆、
大人女子も中年女子も初老女子も老人女子も、自分が現役女子だった時代を思い出してほしい。