おとり化粧室


『ぶっちゃけ』って言えば、
貴方にアタシは心をオープンにしてます的な親友宣言になる学校の国の風潮どおり、


君がぶっちゃけると、

教室でグループ活動できている実績と安心感があれば、

『澪碧嶺パクりうぜぇ』『玲ちゃん恋語り黙れ』『ルルナ本気ナルシスト引くし』的なストレスは、

自分さえ我慢しとけば別に騒ぐほどの事柄でなかったし、


ここだけの話、三人の人間性なんかどうでもよかった。



なぜって、そんな奴らでも一緒に居れば友達ゼロより世間体が保てるマシな駒だからで、

実のところ、
ふあふあオシャレおっとり女子高生を目指す君は、

四六時中自分に夢中で、

澪碧嶺に玲ちゃん、ルルナが一年間仲良し組を契約してくれるなら、

彼女らに見返りも求めてなかった。


つまり、ただ三人が傍にいると誓ってくれるなら、

『なんでメールくれないの?!』
『誕生日はカウントダウンしよーね?』
『アタシと地元のツレどっち信頼してるの!?』

こんな風に可愛い彼女がイケメン彼氏にワガママするみたいな真似をしないってことだ。



クラスメートに『澪碧嶺たち仲良しだね』って噂され、

同級生に『澪碧嶺たち毎日楽しそうだね』って認知されてさえいれば、

ふあふあグループと親友としていまいち踏み込めず、なんとなく距離感があったとしても、

事実上、友情っぽさを演出できておけば、流行り歌みたいに孤独に切なくならなかった。



ねえ、そんな君の心は大人たちに清いと認めてもらえないのかな?

ひとりぼっちを怖がるなんてピュアガールそのものなのに、ボランティア活動してなきゃ不純なのかな?


学校の国で親友をほしがる君たち女子高生は、ルックスがもたらす明朗なイメージと異なり、

嘘か本当か構ってちゃんか、意外とデリケートなんだとか。