まぁ。意地悪したって言っても
ただ、手を差し出す智ちゃんを
こっちに引っ張ったってだけだけどね。
だってさ~、智ちゃん
まだ、俺の事、子供扱いしてるし?
年下だと思ってるし?
智ちゃんは昔から
どっちかと言うと姉御気質で
口調が偉そうなんだよね~。
まっ。別に嫌いじゃ無いけど(笑)
でもさ、小さい頃はそれで良くても
今は何だか悔しいじゃん?
だから、ちょっと手を引っ張ったら
智ちゃんがバランスを崩して
俺の膝に倒れて来た。
その瞬間、ちょっとだけ
焦った。
だって、この状況はマズイよね。
うん。普通に…
でも、智ちゃんは馬鹿だから
全然気付いて無いのか、
「顔なのっ!?ねぇ、顔なんでしょ!?
顔が変わらないんでしょ!?」
俺が変わって無いって言った事に
対しての返事を全力でして来た。

