「…………ここ?」
私は今、限りなく古そうな
アパートの前に居る。
手に持っている小さな地図と
この建物を見比べ始めて早5分。
いくら見比べても
いくら考えてみても
地図に印されてるのは
ここしか無い。
「あー、あんた一之瀬さんかぁ~?」
そんな時に声をかけて来たのは
恐らくもう定年の年は越してそうな
小さなおじいちゃん。
何故、私の名前を?
そう思ったけど、
「わしが、“ここ”の大家の澄田じゃよ~」
その言葉を聞いて確信した。
私が今日から住む事になってる
“ひまわり”とゆー
可愛らしい名前のアパートは
間違いなく此処だと言う事が。