そんな馬鹿なことをしていれば登校時間もあっという間。
クラスは3人同じだからほとんど一緒にいることが多い。
教室に行くといつものように要が女子に囲まれた。
「愛美ファイト!! 」
女子たちの声援が飛び交う告白タイム。
俺と森屋は取り残されたように白い目でそれを見守る。
「あ、あの要くん!! これ受け取ってくださいっ!! 」
要の前には赤いリボンのついた包みが差し出される。
そして要はそれをしばらく眉を寄せて不可解そうに見つめてハッとしたように言う。
「パイオツかもしれない! 」
「なんの話ーー!!!」
俺と森屋は全力でツッコム。
「いやだからおつ田ぱい夫くんの……」
「いつまで考えてんだよっ! てか空気読めよっ!」
森屋はツッコミを連打する。
しかしいくらなんでもこんなこと急にかませば愛美ちゃんだって……
「えっ!? うちのお兄ちゃん知ってるの? 」
「お前の兄さんかぁーーー!!」
俺と森屋はまた全力でツッコム。
「乙田 愛美、兄は乙田 杯夫 そうだったのか…… 」
要は感心しながらも息を飲み、核心に迫る。
「お、お兄さんのあだ名は? 」
「おっぱい 」
いや、それ以外ありえなくない? てかなんで要くんがそんなに落ち込んでんの……
しかも森屋にいたってはもう席で着々と勉強していた。