『…ッ』


小さな手は叩かれてしまった。


『…ゴメ、ンなさい』





―――――……
―歩side―


『…ッハ』


ゆ、め?


「あら、歩ちゃん起きた?」


目が覚めたと同時に声がした方に
目をやった。


『おばちゃんだあれ?』


そこには一見優しそうで
ふっくらしたおばちゃんがいた。



「歩ちゃん、家の前で倒れてた

んだよ?覚えてない?」


『……ッあ』


「思い出したようだね。

さっき歩ちゃんのママから電話が

あってね、しばらくおばちゃんの

お家で待っててねって電話があって

ね、いい子にできるかな?」


この人は、確かママのお姉さん?


『うん。いい子にしてたらママ

帰ってくる?』