君の隣で



朝から、沙希に会った。


内心俺はうはうはだった。


やっぱ可愛いなぁ。


なんて思い、沙希を眺めていると、


沙希の顔が、歪んだ。


「沙希?」




俺は不思議に思い、声をかけた。


すると、沙希は泣きそうな面して

「靴持ってくるの忘れちゃったっ!あははーっ!」

って。


俺は気づいてしまった。


こいつは、いじめにあっている。


魁人のことだろう。


「……かぁ君には言わないで」


お前は、こんなときだって魁人を護るのかよ。


こんな辛い思いさせられてるんだぜ?


俺にしとけよ、


俺だったら魁人より幸せにしてやるよ。


なんて感情を、押さえる。


「な、なんで!?」


すると、沙希は


「かぁ君優しいから。全部自分のせいだって責めちゃうの。」


「………」


声が出なかった。


「だから、言わないでね。」


「……おう、わかった。でも!」


そして、俺は


「なんかあったら、俺に言え。全部押さえ込んでたら、お前がおかしくなっちまう。」

と言い、沙希の髪をくしゃっと撫でた。



綺麗事かもしれねーな。

でも、沙希の心が奪えるのなら

俺はなんだってするつもりだ。