のたお印の短編集

帆に目一杯風を受け、ガレオン船は大海原を進む。

嵐の気配もなし、海は凪いでいる。

腕組みしたまま、船首で潮風に吹かれるドレイク。

片手には高性能連射式マスケット銃、腰にはオリハルコン製のカットラス(湾曲した刃を持つ剣。舶刀。刃が湾曲している側が鋭利になっている)を下げている。

彼愛用のカットラスは特別製。

とある異世界で手に入れた希少価値の高い金属で鍛えた刀剣で、何物をも斬り、如何なるものも貫ける。

ドレイクの知る限り、これ以上の硬度と切れ味の剣は存在しないという代物だ。

彼の持つ最高級の『お宝』。

故に肌身離さず持ち歩いている物だった。