そのガレオン船の甲板。

「船長、着きやしたぜ!」

さも荒々しげな船員が蛮声を張り上げる。

右目に黒い眼帯、頭にはバンダナ、腹に巻いた帯には、短筒のマスケット銃を差している。

只の船乗りではない。

そしてそんな只の船乗りではない男に呼ばれて甲板船首付近に姿を現したのは。

「ほぅ…なかなかいい景色だ」

若いながらも貫禄のある、一人の青年だった。