すかさずマウントポジションをとり、アリッサの自由を奪う省吾。

「くそっ!」

倒れたままナイフの刺突を放って抵抗するアリッサだが、省吾はそのナイフを持つ手を掴んで、手首の関節を極めてナイフを奪い取る。

武器も奪われ、自由も奪われ。

「殺せ!」

アリッサは叫ぶ。

「捕虜になって拷問の末に組織の機密を漏洩させるくらいなら、死んだ方がマシだ、殺せ!」

「……」

こんな若い女が、自ら死を選ばなければならない。

戦争とは、何と不毛で愚かな…。

「殺さないなら私自ら…!」

舌を噛み切ろうとするアリッサを。

「うぐっ!」

省吾は腹を打って気絶させる。