のたお印の短編集

かたや、冴子はこの学校のヒエラルギーの頂点に存在する。

背中まで届くポニーテールの黒髪、知性の象徴たる眼鏡。

容姿端麗、文武両道、頭脳明晰、優等生な、非の打ち所のない女子高生。

おまけに学校では生徒会長という才媛。

気の強い性格で、相手が男であろうと不良であろうと、己が正しいと思うと一歩も引かずに立ち向かう。

彼女に想いを寄せる男子生徒は多いのだが、あまりの完璧ぶりに相手が卑屈になってしまい、結果誰にも相手してもらえないというある意味不遇な立場。

何もかも兼ね備えているというのは不幸という事を体現している存在だ。