のたお印の短編集

反省を促しなどしない。

亮二は一思いにアイスピックを振り下ろす。

「冥府へ堕ちろ」

紅林の眉間に突き立てられるアイスピック。

嬲りもしない。

苦しめもしない。

ただ事務的に淡々と、目の前の命を摘み取る。

暗殺者だから。

殺すべき連中が多過ぎるから。

感傷に浸っている暇はない。

後が閊えているのだ。

手際よく殺らなければならない。