のたお印の短編集

「はあ…う…?」

ボタボタと滴り落ちる血。

両手で受け止め、それでも指の隙間からこぼれる血に、禍彦は困惑する。

「何だ…これ…?」

「さぁ?」

愛らしく小首を傾げる朱鷺姫。

「『彼女』に訊いてみて?私、病気には詳しくないから」

そう言った朱鷺姫の傍らに立つのは、漆黒の衣に身を包んだ女神だった。