あゆの言う『ブレスレット』って言うのは、拓が付き合って１年記念の時にプレゼントしてくれた、シルバーのブレスレットのこと。
あれからいつもポケットに入れてて、休みの日やここぞという時にだけ手首に付けている。
今日ももちろん先生に見つかると大変だから、ポケットの中なんだけど、自由行動の時にはつけれるかな…？
「ブレスレットも拓が『俺じゃ分かんねえ』とか言って、俺が駆り出されたんだろ？まだあん時のお礼、されてないんだけど」
あゆと拓が言い合ってると、後ろから倉本くんの声が聞こえてきて、拓は一瞬表情が固まった。
「マ…っ、マサ！黙っとけって言ったのに〜。…てか、バラしたから、プラマイゼロだろ!!」
「拓がいつまで経ってもお礼しないからだろ？催促のつもりで言ったんだけど」
「あっ、瀬川〜。このキーホルダーの件のお礼もヨロシクね〜♪」
「馬場も…、てめえらひでーカップルだな！」
なんか…、この会話聞いてると、元気が出てきたような気がする。
「あはは」と笑うと、隣にいた映美佳が私に向かって微笑んでくれて、それを見て私はまた頑張ろうと思えた。
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