「あっ。ちょっと静かにして。今、西田さんがストラップらしきもの手にした。あれを蘇我さんのカゴに入れたら確実じゃない?」
あゆの言葉でみんな黙って西田さんの行動をうかがう。
…なんか、他から見たら怪しい4人組になってないか心配なんだけど、そんなこと言ってる場合じゃないよね。
「イルカー、こっちだよ。ホント遅いんだから、もう」
「ごめん…」
「コレもそん中入れといて。ヨロシク〜」
そして…、ついに目撃してしまった。
西田さんが携帯のストラップを3つほど、蘇我さんの持っていた買い物カゴに投げ入れるところを…。
「うわぁ〜、間違いない。マジでパシられてんじゃん」
「あ!間山さんもお菓子を蘇我さんのカゴに入れたよ」
「自分のお土産くらい、自分で持てっての!マジ最悪ー」
同じく蘇我さんがパシられてる瞬間を目撃してしまったななっぺと映美佳とあゆは、「気持ち悪い」って顔をしながらお互い顔を見合わせていた。
私はと言うと…、事前に蘇我さんから話を聞いていたとは言え、ハッキリと決定的瞬間を見てしまったことがショックで、何も言えなかった。

